~♪ その瞬間に、ゆるやかなバラードがわたしの耳を駆け抜けた。 周りを見るとヒラヒラくるくると踊り出す人。 「ダンスの時間?」 「おっと、抜け駆けだなんて勘違いされたらやだなぁ」 メインのダンスが始まったのだと理解してから、周りを見渡すと、琉叶くんが少しわたしから離れた。 ん? 「結愛さま」 そしてすぐ、礼服とは少し違うモーニングに身を包んだハルトが右手を差し出してきた。 「え」 戸惑うわたしににこり。 優しいスマイルを浮かべながら。 「Shall we dance?」