我が家の甘々執事サマ☆


「なぁ、無性にイライラするのはオレだけか?」


秀のこの問いに迷わず「俺もだ」の声がハモる。


「そんなことおっしゃらずに。お嬢様はまだ思い出されませんか?」


「えぇ……」


思い出そうとしているのか苦い顔をしている結愛さまと。

結愛さまの古い知り合いなのかわかりきったように笑う爺やさま。


誰なんだよ、あいつ。


「仕方ありませんね。結愛さま、“シンくん”さまですよ」


シンくん


その名前を聞いたとたんに結愛さまの瞳が見開かれる。


「シンくん?!」