談笑を続けていると、看護師の女の人が入って来た。

ふんわりと柔らかく笑う40代くらいの女性だ。

「こんにちは。今日はお客さんだらけね」

ぺこりと頭を下げると、爺やは「師長さんなんですよ」と目を細めた。

「でも良かった。元気そうで」

「当たり前ですよ、わたくしはお嬢様の結婚式までは死なないと決めておりますから」


「「!!?」」


先ほどまで黙っていたはずの慧斗、秀が突然に過剰反応を示した。変なの。


「わかりやすすぎなんだけど」


意味ありげにニヤニヤ笑いながらふたりを見る琉叶くん。どうしたんだろ。


「結婚だなんて、まだ―…」

そう否定しようとした時。


『師長。お客様です』