我が家の甘々執事サマ☆


「またそうやって強がる」


ふわりと鼻腔をくすぐる、性格とは程遠い柔らかな秀の香り。

それにつつまれているのが、なんだか不思議で、あったかい。


「怖かったくせに。泣きそうだっただろうが」


おかしい。

普段は絶対に見せない優しい顔になって、わたしの頭を撫でる。秀じゃないみたい。


「変な気遣うな。お嬢様の立場捨てろ」


引き金を引いてしまったのは、アナタだから。



「――こわかっ…た…」


貸してくれた胸に思い切り甘えた。


どうして、わたしはこんな立場なんだろう?

もしも普通の女の子なら、わたしの運命は違ってたかな