「しゅ…う?」 思考回路がまわらない。なにが……どうなって……。 しばらくの間そのままで。伝わってくる体温や鼓動がおさまらない。 「し、秀」 やっとの想いで名前を呼ぶと「…悪ぃ」と弾かれたようにわたしから離れた。 「山下?さんだっけ。が泣きながらオレんとこ来てよ。どうしようって泣いてた」 「山下さんは、悪くないよ」 「悪かったな。俺のことだろ?執事とはいえいつも一緒だしな」 申し訳なさそうに呟く秀だけど、秀のせいじゃない。 「秀のせいじゃないから。大丈夫」