わたしは幸いにも、身体が濡れることはなかった。 「平気だよ」 ――本当を言えば嘘。こわかった。 「秀こそ…ごめんなさい……濡れて…」 来てくれて嬉しかった。 たまらなく嬉しい。 「無茶すんなって」 プツリと、時間が止まった。 背中に回された手 感じる濡れて冷たい体温 「早く来てれば…ごめんな……」 ふと、彼に抱き締められていた。