こわい、こわい、こわい。

こわい………。


足が動かない。ガクガクと力が抜けて、どうしようもなくなる。


逃げたい、これから何を言われるかなんて聞きたくもない。


「見てると、腹が立つのよ。朝からお姫様気取りなわけ?」

「あの執事?ももちろんそうだけど」

「理事長の娘とも友達なんて調子乗らないでよね。百瀬の名前にすがりすぎ」


秀と、まなかのことだ……

ふたりの――



「ふたりのことを言うのだけは…やめて」

「なにそれ、ウザいから」