【科学室前】


着くと、そこには制服のリボンの色でわかる上級生の先輩方がいた。紺色、最高学年だ。


「あの」


声をかけると「やっと来たか」とため息混じりのいらだった声。


「………」


一瞬で。その場の空気でわかった。

これはまさか



ニヤッと悪い、黒い、人間としてダメな要素ばかりが入っている笑いを向けてくる。

逃げ出したいのに、それを許さない空気もこわい。


「百瀬結愛、だよね」



その中のひとりが持っているバケツに目が行く。


「ッ!」