ふたりを見送ったあと、図書室に行こうと立ち上がった時に。 「百瀬さん」 まだあまり話したことがない確か、山下さんから呼び止められた。 「ん?」 「あのね。あたしの知り合いが百瀬さんと話したい事があるって、科学室前で待ってるそうなんだけど」 「わたし?」 誰だろう、なんだろう、色々な考えが頭をよぎる。 「科学室前ね、わかった」 わたしはあっさりと了承してしまった。 ――疑うことなく。