「朔ちゃんが、解雇を止めてくれたんだよ。いや別にそれだけじゃないんだけど」 言ってくれたんだよ、空を仰ぎながらオレはボソッと呟いた。 「なにを?」 オレは大切なその言葉を絞り出すように放つ。 「一生懸命やってる人を、解雇する意味がわからない。そばにいてくれるだけでいいの」 これに、どきっとした。言うと慧斗にぃはまた笑う。 「小学生にしてはすごいセリフ」 でもバカにしてる笑いじゃなくて穏やかな笑み。