「慧斗にぃ…」

にこやかに、穏やかに笑う慧斗にぃがいた。

「こんなことだろうとは思ったけど、声がしたから」

苦い顔をして隣に腰を下ろしてきた。頭をグリグリされる。


「どうしたよ、えらい元気ないじゃんか」


いつも優しい慧斗にぃだけど、今日は特別に優しい声のトーンで聞いてくる。


「うん」


オレはそれしか言えなくてただ黙り込む。すると慧斗にぃはグリグリしていた手で頭を撫でてきた。


「言ったのお前だろうが?」