その声は耳を疑うものだった。 目の前にいる、含み笑いを浮かべている少年は誰…? 耳に感じる中村君の吐息がやけに色っぽい。 「な、中村君…離れて下さいっ…」 「何で?俺のこと嫌い?」 いつの間に一人称も俺になってる。 「そ、そうじゃないです…!ただ、っ…」 言葉が詰まる。 それはきっと、頬に柔らかい感触を感じたせい。