受け取った本をパラパラとめくり、眺めているとチャイムが鳴った。


「授業始まるぞ、教室戻んな」



お兄ちゃんの様な口調で、あたしを教室へ促す。


多分、サボるつもりなんだろうな。




「し、失礼しますっ…」


深く頭を下げて、図書室を出る。



八木原君の視線を背中に感じながら。