次の日、あたしは昨日返しそびれた本を返却していた。 幸い、昨日とは違う人が受付をしていた。 「……」 これ、確かえっちな小説なんだっけ…。 何となく、カウンターにいる図書委員の人が軽蔑の目をしているような気がして、あたしは俯いた。 「返却、ありがとうございます」 その声は、興味無さそうにも聞こえるし、冷たくも聞こえる。 当分…図書室には来れないな…。 「蒼空」 足早に図書室を出ようとすると、後ろから声を掛けられた。