八木原君は目を見開いて、それから口元を引きつらせた。 「それ…官能小説だぜ?」 ……え!!? 官能小説―――要するに18禁の大人向けのえっちな小説。 あたしは今、それを堂々と八木原君に見せ付けてる。 「っ、あの…えと…っ!!」 緊急事態!!完全に引いてるし! 八木原君は苦笑いを続けたまま、あたしから目を逸らしている。