背中に体温を感じ、後ろから抱き締められていると気付く。 この声…… 「っ、八木原先輩…!」 逞しい腕を掴みながら、ちらっと上を見ると八木原君と目があった。 図書委員の人は後輩だったみたいで、怯えたような目で八木原君を見ている。 「さっさとその手離さないと、俺何するか分かんねぇよ?」 八木原君の視線は、掴まれているあたしの手首に注がれていた。