「あ、帰ってきたー」 櫻田君が教室のドアを開けると、一斉に注目を浴びる。 一応、手は繋がっていない。 「お帰りなさい、お二人とも。…浅村さん、ご苦労様です」 松神先生がにこっとあたしに微笑みかけた。 そそくさと席に戻ると、丁度チャイムが鳴った。 「じゃあ、今日も頑張って下さい」 先生はそう言って教室から出て行った。