は…?



「蒼空、何…」




「あたし、八木原君が好きなんれす…っ、大好きなんれす…!」


ぎゅっと俺にしがみついて泣きじゃくる蒼空。……俺が、好き?





「お前、ちょっと落ち着けって…」


あり得ないだろそんな事。……自惚れんな、俺。




「もう我慢できませんっ!八木原君…あたしのものになってくらはい」




きっ、と睨み付けるように俺を見てくる。そんな顔しても可愛いだけだぞ。……って、違くて。


「蒼空、」





「嫌れすか?あたしの事が嫌い、…れすか」



しゅんと眉を下げて口を尖らせる。おまけに涙もポロポロ流し続けてる。





―――あぁもう、愛しい。



「俺も……好きだよ」


「え…」




「だからそんな顔すんな。ほら笑え」



眉を下げて涙を溢れさせる蒼空の頬を軽く摘まんでやる。困ったように手足をバタつかせながら抵抗してきた。



「や、やめてくらひゃい…!」


「俺は笑ってる蒼空が好きなんだ」




愛しくて愛らしい、可愛い蒼空が大好き。もうお前以外の女なんて考えられねぇよ。




だからお前も、俺の事だけ考えろ。




「―――あらしの酔いが醒めたら…もう一回言ってくれますか?」


あぁ…そうだな。





「ちゃんと目覚ましたら、何度でも言ってやるよ」








―――愛してる、ってな。