「うん、それ聞いて安心した。ありがとう」


「いえ、そんな…」




遥登君が微笑んでくれて、緊張が幾らか解れる。


何も変わらないよね、あたしたちきっと。





「俺よりいい男がいるって事かー何かむかつく」



「え?」


「いるんだろ?好きな奴」




全部見透かされていたのかな……いや、恥ずかしい!


「あのっ…」




熱が顔に集中する。その熱を冷ます前に、早く弁解しないと…!



「す、好きっていうか、その…っ」




「俺に返事したって事は、これからそいつに気持ち伝えるんだ?」



「っ!」




どこまでお見通しなの遥登君!


「あ、あう…」




全部その通りだもん…言い訳できないです。



「頑張ってよね!僕のためにも、蒼空には幸せになってもらわないと」


遥登君は、いつもと同じようにえへへと可愛く笑った。いやほんと可愛い。




「ありがとうございます…あたし、やっぱり遥登君が大好きですっ!」


ペコリ頭を下げて走り出す。もう後ろめたい事はなくなった。―――あとは、伝えるだけ。








「大好きとか、簡単に言うな……ばか」


真っ赤な顔でそう呟く遥登は、少し寂しそうにニッコリ笑った。