「えっ…あの、橘君?」 驚いているのか、蒼空は俺の腕の中でもぞもぞと動く。 「無防備すぎ。分かってやってんの?」 そろそろ自覚してもらわないと困る。これじゃあ襲われても文句言えないだろ。 更に強く力を入れると、苦しそうに眉をしかめて俺を見る。 「橘君…」 「あんまりさ、妬かせないでほしいんだけど」 じっと蒼空を見つめながら愚痴を吐く。多分俺、顔赤い。 「…どういう事ですか?」 ……駄目だ。天然すぎる。