「ふぅ……」


少し前まで遥登君と遊んでいたあたしは、シートに座って冷えたジュースに口を付けていた。



…やけに痛い視線を周囲から感じながら。




「あの…何か?」



横から橘君が、後ろから櫻田君が、そして目の前から八木原君があたしを見てる。いや、睨んでる。




ひいいい怖いんですけど!あたし何かしましたっけ!?





「何だよみんなして蒼空の事睨んで」


ぐい、と遥登君があたしを引き寄せれば周りの目は一層鋭くなる。





「…つうかさぁ、何で蒼空ちゃんは“遥登君”なんて呼んでんだよ」



橘君は明らかに不機嫌な声で、見るからにご立腹の様子で、あたしを睨み付けた。




いつもの橘君とは違う敵意の目に、思わずたじろぐ。