「ほら、貸せ」



浅村から強引にポーチを奪い、中から日焼け止めを取り出す。軽く振りながら、再び視線を浅村に戻す。




「…っ」


そこには真っ赤になった浅村がいて、思わずドキンと心臓が跳ねた。




こ、こっちまで緊張する…!



「あ…浅村、腕を上げてくれるか?」


「は、はい…」




ゆっくりと上がった片腕を支えるように手を添える。柔らかな女らしい感触に、心拍数は上がっていく。



今さらだが、俺は何で塗ってやるなんて言ったんだ?自分の首を絞めているだけじゃないか。





…でも。


「っ…、」




触れたい。

浅村に、触れていたい。










「それ貸して。反対の腕は俺がやるから」


ぎこちなくも丁寧に浅村の腕に日焼け止めを塗っていると、横から手が伸びて日焼け止めを奪う。