「わ、蒼空ちゃんが水着になってる!!やばい可愛い!!!」



遥登が浅村に気付き、俺と同じように駆け寄ってくる。その頬はほんのりと赤かった。




「蒼空ちゃん似合うね!」


「あ、ありがとうございます」



浅村も照れたように遥登に笑いかける。初々しい、付き合いたての恋人同士みたいだ。


……むかつく。




「浅村、日焼け止め…持ってきたんだよな?」



俺は二人の中を割って入り、浅村に問いかける。彼女は一瞬きょとんとして、すぐに笑顔を浮かべた。




「はい、焼けちゃう前に塗っておこうと思って」



「……じゃあ、俺が塗ってやる」




そう言った瞬間、周りの視線が一気に俺に集まる。…そんなに可笑しな事を言った覚えはないが。


「あ、え…塗ってくれるんですか?」




不安そうな顔をする浅村に、俺は笑みを漏らした。…可愛い。