シートに座ってかき氷を見つめていると、良からぬ事を考えてしまう。



「あいつ…遅いな」


浅村の食べ掛けのかき氷を食べてしまいたいという最低な考えを書き消すように、小さく呟く。



にしても遅い。忘れ物を取りに行っただけにしては遅すぎる。





…やっぱり、無理にでも一緒行くべきだった。



その時、遠くに斎と浅村の姿が見えて、俺は思わず駆け寄った。斎と一緒だったのか…。





「浅村、遅かったから心配し……」


先ほどまで着ていたパーカーが、カラフルな水着に変わっている。息が詰まった。





…可愛いし、似合ってる。


だけど、何故浅村は斎といるんだ?何故急に水着になったんだ?脱がされたんじゃないだろうな。





「あの…心配掛けちゃってごめんなさい」


浅村の言葉にハッとする。




「いや、別に」

駄目だ、直視できない。物凄く緊張する。