淡々とした口調でそう告げた。

一気に声が消えて、みんなが松神先生に注目する。




「ていうかみなさん、何を調子こいて盛り上がってるんですか。隣の教室から苦情殺到してるんですけど」


申し訳ないと一瞬眉を下げるが、すぐに顔を上げる。みんな全く反省してない様子。





「んなことより、残念なお知らせ…って?」




あぁ、と松神先生はあたしたちに向き直った。

「旅行券が人数分用意出来ませんでした」




非常に残念です、と悲しそうに先生は言うけど、その顔には笑みが浮かんでいた。



「はぁ!?聞いてねぇぞ!!」

「えぇ、今言いましたから」



旅行券が人数分取れなかった…ってことは、何人かの分は取れたってことだよね?




「取れたのは10人分です」

行けるのはクラスの3分の1。