「理由?…お前が悪い」 それだけ言って、八木原君はあたしから離れる。 ………え? 今の一言に、答えありましたか? いや、ない。 あたしが悪いからキスされた、なんてさっぱり意味が分かりません。 「ちょ、待っ…」 「また明日な、蒼空」 「八木原君!」 あたしの話を完全に無視して、パタンと扉が閉まる。 「お前が、キスしたくなるような顔すっからだろ…」 顔を真っ赤に染めた八木原斎は、回りに聞こえないように小さく呟いた。