低くて、冷静な声。 「―――八木原君!」 声の主は八木原君だった。 腕組みをして、あたしと先生を交互に見た八木原君は、はぁ…と、長いため息を吐いた。 「おいおい、教師がんなことしていーのかよ?」 クスッと笑った八木原君だが、目は凄まじく笑ってない。 「八木原斎…一体何のようです?」 先生は耳を噛むのを止めたが、あたしから離れようとしない。