「実花にこのスケッチブックを売り付けたのは、お前だろう!」

「ええ、そうですよ」

悪びれもせず肯定した。

真名の感情の昂りが、涙となって溢れてきた。

真名は気付いていた。

実花の手紙を読んだ時から、魅弦が実花にスケッチブックを売ったことを。

そして確信も持っていた。

スケッチブックをはじめて見せた時、交わした会話内容で。

スケッチブックのことを真名が尋ねると、魅弦は答えたのだ。

まるで前から知っているかのように。

それを今まで黙っていたのは、扱っていたならば、処分する方法も知っているだろうと思っていたからだ。

その思惑は当たり、このスケッチブックは一応無効化した。