「くそっ…! 救急車をっ」

 どすんっ!

「えっ…?」

「ああ…。完成してしまったんですね。その絵」

真名は立ち上がり、窓に近寄った。

窓の外には…伊和未の死体があった。

「場所はどうやらここだったらしいですね」

おびただしいほどの血の量が、地面に広がっていく。

絵のように、赤く染まっていく。

「うぐっ…!」

中と外の血の色と量に、吐き気がこみ上げてきた。

むせ返るような血の匂い…!

視界がグルグルと回る。

「しっかりしてください。―真名さん」