「はあっ?」

「いやいや。ここを一人で管理するのもキツクなってきましてね。そろそろバイトを雇おうかと思っていたところだったんですよ」

「…ここで、か?」

「もちろん。この骨董屋で、ですよ」

真名は顔を歪めながら、しばし考えた。

しかしどう考えても、このスケッチブックを処分できるのは、目の前の魅弦しかいないと結論が出てしまう。

「~~~っ! …本当にっ、コイツを処分できるんだなっ!」

「当店の誇りにかけて」

胡散臭さは滲み出ているが、アテはここしかない。

「分かった! コイツを処分できたのならば、お前の所で働こう。しかし学生であることを忘れないでもらいたいな」

「それはもちろん。学業優先で構いませんよ。では商談成立と言うことで」