「嫌味は結構だ! それより見てもらいたい物がある」

真名は魅弦に例のスケッチブックを見せた。

「このスケッチブック、処分する方法を知っているか?」

「おや、珍しい物をお持ちで。少々拝見」

差し出されたスケッチブックを受け取り、魅弦はページを捲った。

「ほお。珍品中の珍品ですね。コレの処分をお望みで?」

「ああ、この世から消してほしい」

強く言い放つ真名を正面から見つめ、魅弦は笑みを浮かべたまま首を傾げた。

「何か事情がおありのようで。よければ話してくれませんか?」

「…話せば処分してくれるのか?」

「内容にもよりますが」

あくまでも笑みを浮かべ続ける魅弦を、真名は力の限り睨み付けた。