切羽詰った声だが、しかし真名は別のことが引っ掛かった。

『スケッチブック』

…それはつい昨日の昼休み、聞いた都市伝説だった。

「実花、お前、まさかっ…!」

「ゴメンっ…ゴメン! 真名! こんなことになるんて、思わなかったの! まさか本物だなんて…」

「使ってしまったのか!」

思わず声を荒げ、ソファーから立ち上がった。

「だって、だって…! 苦しかったの、辛かったの! 真名はいないし、アタシ一人じゃどうしようもなくて…!」

「分かった。とりあえず、そっちへ行くから、待ってて」

「もう…ムリ」