「はい、そうです」

「…え?」

魅弦は笑顔で肯定した。

「この店には、そういういわく付きの商品しか置いていません」

きっぱりと言われ、真名の足は出口に向かった。

「邪魔したな」

「おや、お気に召しませんでした?」

「そういう趣味はない。ついでに言うと、買う金も無い」

「それは残念。ですがお客さんはまたここへ来ますよ」

確信に満ちた言葉に、思わず足が止まる。

「ここへ来て、俺と話をしました。つまり縁ができたということ。宣言しましょう。あなたはもう一度、この店へ来ます。その時こそ、何かを買われていくのでしょう」

「…呪い、か?」

「いえ、俺の一方的な願望ですよ」