ここに来て、あたしは家族の暖かさを知った。



そして恋する幸せも。



思春期に部屋がなくなった風都。



受験生なのに、風都と同室の悠都君…。



バイト代は少しでいいと言っても、働いた分だけ給料をくれるサキさん。



毎日ご飯を作ってくれるユズさん…。



あたしは救われたよ…。



迷惑ばかりかけて…。



それでもあたしを家族だと言ってくれた夏川家…。



甘えてばかりの自分…。



早朝、悠都君の部屋にいる風都をこっそり起こして部屋に連れてきた。



「出て行く…ことにする」

「意味わかんねぇから…」

「もう迷惑かけたくない…」

「意味…わかんねぇって言ってんだよ!!」

「あたしは風都のそばにいるから!!甘えてばっかりはイヤなの。ごめんね…」

「勝手にしろよ…。出て行きてぇなら好きにしろ。引き留めたりしねぇよ」

「風都…」

「どこにでも行け。ちーなんか…知らねぇから。顔、見たくねぇ…」



あたしの未来はどうなるんだろう…。