そんなふたりはどうだっていい。



最近クロがおかしいから。



ボーッとしてるっつーか、どっか抜けてる気がする。



「恋でもしたか」

「した…かもな」

「は!?ものすげー冗談だったんだけど!!」

「ん~」



えっ、クロが恋?



ナイナイナイナイ。



愛は薄れるしなくなるもんだって家庭環境から学んだって言ってたし。



クロが恋とか、マジでありえない。



「どこの誰と…?」

「事務の椿」

「事務…?あぁ、あの無駄に若くてキレイなお姉さん」

「本当に落ちねぇ…。マジ…落ちねぇ…」



最近、女とどうにかなったって話しも聞かなかったわけはそう言うことか。



確かに美人な事務員がひとりいた。



年上にハマってもいいことなんかねぇのに…。



「ガキ扱いやめろって感じ」

「ガキだからな」

「下半身はガキじゃねぇよ。むしろピークだろ」

「ヤったのかよ…」

「ヤってりゃまた話は変わってくるっつーの。絶対ガキとか言わせねぇのに」



クロが恋をした。