ドアを開くと、大きな池があった。


地面は砂利が敷き詰められていて、コンクリートで出来た道が一本、池に続いていた。


「すごいね……」


「なんか、庭園って感じ」


あたし達が感動していると、


「こんにちは」


女の人が話し掛けてきた。


着物を着てる……ってことは旅館の人だ。


その女の人は、車椅子に乗っていた。


「こんにちは」


美衣奈さんに負けず、すっごい美人だ。


「いい池でしょう。女将のお気に入りなんです」


「へぇ、女将さんの……」


そう言いながら美園が池をまじまじと見つめる。