「……と、とにかく!薫のとこ行って一緒に写真撮ってこよ」




そう言ってけいは空いたシャンパングラスをテーブルに置いて、猛スピードで駆けてゆく。





「えぇ!けいちゃん、下はスカートなことを忘れてない?!ここはバスケのコートじゃないからね」



「馬鹿ね、私を舐めんじゃないわよ!」




けいは後ろを一切振り返らずに英介に言い放ち、更に人垣を掻き分けてゆく。



そしてその後ろを英介は慌てて付いていったのだった。






────
──────





「薫〜!とっても綺麗だよ。おめでとう!」





壇上にいる二人にけいは満面の笑みで言った。





「ほんと、綺麗だよ。薫」






英介も頬に朱を落とし、微笑んでいた。






「ありがとう。けい、英介くん…」




純白のドレスに身を包んだ薫も幸せそうに笑った。









「二人とも、忙しいのに来てくれてありがとな」






微笑む薫を満足そうに眺めてから、悠太はけいと英介に向かって言った。








「馬鹿ね、私が薫のドレス姿を見ずして今後の試合に集中できるとでも思っているの?…………――あら?これさっきも言ったわね」