「きゃーーー(。≧∇≦。)
薫よ!薫よ!…あ、ついでに悠太くんもいるね」



けいは英介の腕を構わず叩いた。


もう一度言うが、彼女はれっきとした現役スポーツ選手である。


その叩いた腕が予想以上に赤くなったのは言うまでもない。



英介は反対の手で持っていたシャンパングラスを中身が零れないようにバランスをとった。


そして、その震動が収まると、まずとても気になっていたことを尋ねた。




「………ちょ、ちょっとけいちゃん。言葉に出来てない文字がありますよっ!しかも、悠太くんがついでのポジション可哀想でしょ、彼も主役なんだから」



すると、けいは迷惑そうな顔でため息をついた。



「まったく…。弁護士はいちいち細かいところを気にしすぎなのよ。今日はお祝いの日っ!こんな時はなんでもありなの!」




「それも許容の範囲を越えてるって!」




「ちっ、うるさいわね。これだから弁護士は…!」




「舌打ち?!…なんかさっきから『弁護士』ばかり言ってるけど、なんか恨みでもあるの?」



すると、けいはわけもわからず赤面した。



「べ、別になんでもないわ!彼氏が弁護士で、最近お互いの都合が合わなくて全然会えないとかじゃないからっ!」




英介は何も言えなかった。


ただ、『それ、全部言ってるじゃん』しか心の中で思い浮かべることしかできなかったのだ。