腰に回している腕にそっと力が入った。




「…悠太?」



彼の顔を覗こうとしたが、それは叶わなかった。



悠太は私の肩に顔を押し付けていた。




「……………たい」



そんな肩越しに、呟く声が聞こえた。




「え、何?」



そう尋ねると、悠太は片方の腕を私の肩に移し、より一層強く抱き締めた。



それは、もう手放したくないとお気に入りの玩具を見つけてしまった子供のようであった。



骨が軋むように、苦痛を伴った。



「悠太…、痛いよ……」




私の言葉で緩めるどころか、手に服を握りしめるほど強くなった。

私のパジャマの上半身はそれゆえに、首襟から肩の肌の部分が見えてしまうくらいに乱れてしまった。




私は恥ずかしくなって、必死に繕うとしたが、悠太の腕がそれを邪魔して許してくれない。





何か、悠太の勘に触ることでもしてしまったのだろうか…。


思い当たる節ががないのだが、妙に罪悪感を抱いてしまう。





あるとすれば、昨日の最後の唐揚げを勝手に食べてしまったことぐらいだろうか…。