朝が来た。



それはいつもと同じ太陽が上るはずなのに、今日だけは特別な太陽が上ってきたように思える。



―――――…実際、今日は特別な日だ。





窓越しに差し込んだ光を浴びながら外の景色を眺めていると、ふいに後ろから手が伸びてきて、自分の腰に回された。



「おはよう、薫」



耳元で甘く囁かれるのがくすぐったい。




自分の赤面した顔を紛らわすように私は彼の手に自らのそれを重ね、甘えるように彼の頭の方へ顔を傾けた。




「いい天気だね」


「そうだな。こんなこと言ったらベタすぎるって思うけど、俺たちの挙式を祝福してるみたいだよな」



私は笑みがこぼれる。



本当にベタだ。

それしか思いつかなかったの?と問いてしまいたくなる。



しかし、だからといって否定はしない。




「そうだよね」




挙式日和てあることに偽りはないからだ。