薫は自分自身をよくわかっていた。


―――――…そんな顔であたしを見たら、そんなの…。



「ずるい…。――――…悠太は、ずるいよ」



悠太の目がパッと開かれた。


次に紡がれるであろう言葉を薫はどうしても聞きたくなくて、悠太の唇を塞いだ。



「…!」



悠太の驚きがわかった。


何故なら、ビクッとなったから…


その軽いキスを名残惜しそうに離すと、薫はキリッとした顔で悠太を見つめた。



「謝れなんて言ってない。あたしも薄々気づいてた。……でも、できれば.って考えちゃう。そんな自分が嫌……」


また涙が溢れてきそうな勢いに、不意に俯いた。

そんな薫を見て、安心したかのように悠太は微笑んで、薫の柔らかい髪をさら%E