「――――…私、balloonのファンなんです」
店員はそっと語りだす。
「悠太さんが作った歌詞を眺める機会があって……、それがきっかけでした」
「悠太の歌詞……?」
「えぇ。悠太さんの歌詞って恋愛系が多いんですよね。私はそういった面は疎いのですが、それだけは私の共感を生むんです」
話しながらも手際よく認める店員に薫は少し感心した。
「どうしてこんなに共感できるのだろうと、常日頃考えておりましたが…」
「が…?」
店員は薫の正面に立ち、柔らかに微笑んだ。
「今日、その理由がわかった気がします」
「え、それって…?」
「……さ!できましたよ、お呼びしますね」
「あ、はい」
そう言うと、店員は悠太の座るソファーに向かっていった。
―――――…理由、かぁ。
確かに毎度買うCDには切ない恋心を描いた歌が多かった。
それは心なしか悠太の想いのような気がしていたが、
―――――…まさか、ね。
そんなはずがあるわけない。
そうだったらそうで、またとても恥ずかしくなる。

