「えぇ、幸せですよ。本当に…」
悠太の優しい声がその部屋を満たした。
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試着室の前では、これから入社試験の面接にむかう学生のようにぴっちりに立って薫は待っていた。
「お待たせしました…――――。あのー…、もっと力を抜いて楽にしていいんですよ?」
「は、はいぃぃっ…!」
と薫は言ったが力を緩めるどころかさらに力が入った。
店員のクスクスと笑う声が聞こえた。
「力を抜いて下さい?でないと、ドレスが着られません」
店員は困ったように苦笑していた。
「すみません…」
そしてやっと大人しくなった薫にドレスを着せてゆく…。
薫はされるがままに店員に身を任せた。
―――――…慣れたものだね。なんだかあたし、お姫様になった気分…!
なんだかんだ言って、このドレスも綺麗だし…
「悠太に、褒められるといいなぁ……」
いつの間にか口に出していた。
「褒められますよ、十分お似合いだと思いますもの」
「あ、ありがとう…ございます」
照った薫を何しろ手で隠すことが今できない状態なのでただ俯くしかなかった。

