出されたドレスは背中がおもいっきり開いたなんとも大胆なものだった。
「試着なさいますか?」
「これを…着るんですか?」
デザインは背中以外は薫自身も気に入ったが、やはり抵抗がある。
思い悩んでいると
「着てみなよ」
と背中をぽんと叩かれた。
そこで薫にも勇気がでたのか、一歩を踏み出した。
「試着しますっ…!」
――――…この際似合う似合わないの問題じゃない!要は、あたしの勇気が試されているんだ!
本当は前者の意見の問題なのだが、薫にこれ以上の喪失をさせないために今回は何も言わないことにする。
そして何故か緊張しながら試着室へと両手両足を左右同時に出しながら向かっていった。
その後ろ姿を悠太と店員が見ていた。
「……面白い方ですね」
「あれでも真面目なんですよ」
「ふふ…、そうにも見えますね。あんな方が隣にいたら、悠太さんはさぞかし幸せでしょうね」
薫を見て微笑む店員から、まだあの状態の彼女に視線を合わせた。

