「どのようなお色がご要望でしょうか?」
「彼女には、純白が似合うと思うんですよ」
「ちょっ…!ゆ、悠太!」
促されるまま悠太はソファーに座り、薫全体を眺めて言った。
薫は恥ずかしくなって俯くが、彼はその理由がわからずに首をかしげながらただ微笑んでいた。
――――…それってただの彼女自慢じゃないっ!
だが、そうは思っても嬉しいと感じる自分がいる。
その何気ない悠太の言葉に先ほどのわだかまりが徐々にほどけていった。
自分をとても想ってくれている。
薫の周りを暖かい空気が包み込んだ。
店員は悠太の座るソファーの横に立って同じく薫を眺めた。
「そうですね、顔立ちも綺麗ですし身体のラインも細いのできっと栄えますよ」
にっこりと笑い、ちょっと待ってて下さい、と一言言ってドレスを探し始めた。
「ほ、褒めすぎだよね…あの店員さん」
薫は悠太に寄って耳打ちした。
「そう?あの人、間違ってることは言ってないと思うけど」
「……まぁ、嬉しいからいっか」
ちょうどお客様、と奥から声がした。
「あ、はーい。今行きます」
そこへ向かおうとしている薫の背中で、悠太の独り言が聞こえた…―――
「薫、覚えてるかな…」
――――…ような気がした。
「え?」
と振り返ったが、悠太は何でもない、行こう、と催促した。

