扉を開けると懐かしい彼が座っていた。 コーヒーを片手に書類を眺める姿は実に様になっていた。 「ああ、いらっしゃ……」 そう言いかけて、目を大きく見開いた。 「英介くん、久しぶり」 遠慮がちに手を振ると、彼は我に返り薫のほうに歩み寄ってきた。 「薫…?!一体どうして…?!」 「実は……」 薫は足元に視線を移し、少しずつ…少しずつ英介に話していった。