<<悠太side>>




『――――…綺麗…』




俺が贈った指輪をはめて、そうつぶやいたとき、薫を一生離さないと自分に誓った。





守りたいものがあるから、俺の詩は綺麗な旋律で奏でるのだ。






「―――…悠太、……おい、悠太っ!」



「え?」




気付くとそこはミーティングルームだった。



これは、あのライブがあった少し前の話……―――。




昂太が俺の顔の前で手を振っていた。




「またぼーっとしてた!お前真面目に仕事しろよ!」




昂太に説教されてしまった…。





最近、暇なとき(じゃなくてもだいたいだよっ!<昂太ヨリ>)はいつも薫のことを思い浮べてしまう。



自分でも直したいと思うのだが、何しろ毎日が幸せで……――――。





「もうフィアンセがいるとか羨まし過ぎるんだよっ!悠太のアホ」




今日の朝、薫に笑顔で『いってらっしゃい』と言われた。


昨日に増して今日は一段と可愛かった。



きっと、帰れば薫が待っていてまた…―――――




「――――…って、いつまで薫ちゃんの話繰り出してんのじゃ!」