『そのときの悔しさといったら! すでにかなりの力を使ってしまったし、何よりコアトルが、わらわを離さぬのじゃ。従者のくせして主であるわらわを抑え込もうなど、いくらトゥバンの子であるコアトルとはいえ、所詮は畜生か』
吐き捨てるように言うサダクビアには、先程見せたような寂しげな表情は微塵もない。
『仕方なく、わらわは体力回復のため、内側からコアトルを取り込んだ』
「内側から・・・・・・取り込む?」
再びラスのコアトルが、ぎゃあっと鳴いた。
ばさばさと翼を羽ばたかせ、しきりにサダクビアを威嚇する。
「内側から、喰らうのですよ。辺りの骨を見ても、おわかりでしょう。おそらくサダクビア様は、離れている者から、生気を吸い取れるのではないですか? コアトルに関しては、己の身の代わりですし、王家の・・・・・・サファイアの瞳のコアトルを喰らえば、姿形を保ちつつ、生き続けることも可能でしょう」
だから、ラスのコアトルがこんなに敵意を示すのか。
サダルスウドの説明に、サダクビアは、ふん、と鼻を鳴らした。
『生気を吸い取る・・・・・・というより、血肉を奪い取る、といったほうが正しいの。幾重にも呪の施されたこの地は、ヒトは滅多に入って来られぬ。が、ヴォルキーやチーリェフは、そうでもないようじゃ。恐ろしいことよな。そのような猛獣が、わらわを狙ってその辺りをうろうろしておるのじゃ』
言いながら、サダクビアはぐるりとヴォルキーの血で染まった辺りを見渡す。
『わらわの封じられている氷の柱に、角を突き立てる奴らもおる。さすがに恐ろしかった。もしも角の熱で氷が溶けても、出た瞬間、奴らの餌食じゃからな』
吐き捨てるように言うサダクビアには、先程見せたような寂しげな表情は微塵もない。
『仕方なく、わらわは体力回復のため、内側からコアトルを取り込んだ』
「内側から・・・・・・取り込む?」
再びラスのコアトルが、ぎゃあっと鳴いた。
ばさばさと翼を羽ばたかせ、しきりにサダクビアを威嚇する。
「内側から、喰らうのですよ。辺りの骨を見ても、おわかりでしょう。おそらくサダクビア様は、離れている者から、生気を吸い取れるのではないですか? コアトルに関しては、己の身の代わりですし、王家の・・・・・・サファイアの瞳のコアトルを喰らえば、姿形を保ちつつ、生き続けることも可能でしょう」
だから、ラスのコアトルがこんなに敵意を示すのか。
サダルスウドの説明に、サダクビアは、ふん、と鼻を鳴らした。
『生気を吸い取る・・・・・・というより、血肉を奪い取る、といったほうが正しいの。幾重にも呪の施されたこの地は、ヒトは滅多に入って来られぬ。が、ヴォルキーやチーリェフは、そうでもないようじゃ。恐ろしいことよな。そのような猛獣が、わらわを狙ってその辺りをうろうろしておるのじゃ』
言いながら、サダクビアはぐるりとヴォルキーの血で染まった辺りを見渡す。
『わらわの封じられている氷の柱に、角を突き立てる奴らもおる。さすがに恐ろしかった。もしも角の熱で氷が溶けても、出た瞬間、奴らの餌食じゃからな』


