最早わからないことだらけだ。
ラスのコアトルの瞳に映り込んだ、もう一体のコアトルは何なのか。
メリクの言葉の意味は?
それに、ラスのコアトルが示す敵意も、尋常ではない。
この姫君が本当にラスの妹だとするなら、何故これほどコアトルが敵意を示すのか。
「そなたは・・・・・・まことにサダクビア様なのか? ・・・・・・コアトルの外見をしておるということは・・・・・・」
あらゆる知識を総動員して、サダルスウドが慎重に口を開いた。
周りに散らばる骨を見渡し、サダルスウドの顔が険しくなる。
「コアトルを、屠ったか・・・・・・!」
サダルスウドの言葉を肯定するように、ラスのコアトルが、高く鳴いた。
そんなサダルスウドを一瞥し、姫君は僅かに口の端をつり上げる。
『さすがは、神殿の最高位に就いておるだけあるのぅ。母上の力についても、随分調べたようじゃな。あれほどの力を有する巫女、今はおるまい』
にぃっと笑った姫君は、まさに‘氷の美姫’。
この世のものとは思えないほど、それは冷たく邪悪な笑みだ。
少しずつ、ラスに降りた神託が解けていく。
もがれた片翼である姫君は、碧い氷の中に。
赤の中、というのは、血が通い、普通に生きているということか。
闇はこの地。
血はヴォルキーの?
それとも、もっと深い闇が訪れ、誰かの血が流れるのか。
ラスのコアトルの瞳に映り込んだ、もう一体のコアトルは何なのか。
メリクの言葉の意味は?
それに、ラスのコアトルが示す敵意も、尋常ではない。
この姫君が本当にラスの妹だとするなら、何故これほどコアトルが敵意を示すのか。
「そなたは・・・・・・まことにサダクビア様なのか? ・・・・・・コアトルの外見をしておるということは・・・・・・」
あらゆる知識を総動員して、サダルスウドが慎重に口を開いた。
周りに散らばる骨を見渡し、サダルスウドの顔が険しくなる。
「コアトルを、屠ったか・・・・・・!」
サダルスウドの言葉を肯定するように、ラスのコアトルが、高く鳴いた。
そんなサダルスウドを一瞥し、姫君は僅かに口の端をつり上げる。
『さすがは、神殿の最高位に就いておるだけあるのぅ。母上の力についても、随分調べたようじゃな。あれほどの力を有する巫女、今はおるまい』
にぃっと笑った姫君は、まさに‘氷の美姫’。
この世のものとは思えないほど、それは冷たく邪悪な笑みだ。
少しずつ、ラスに降りた神託が解けていく。
もがれた片翼である姫君は、碧い氷の中に。
赤の中、というのは、血が通い、普通に生きているということか。
闇はこの地。
血はヴォルキーの?
それとも、もっと深い闇が訪れ、誰かの血が流れるのか。


