心底馬鹿にしたように言うラスに、アンドレイは拳を握りしめる。
だが、身体の震えは大きくなるばかりで、一向に治まる気配はない。
ほんの若造のくせに、この威圧感は何なのだ。
最早顔を上げることもできないアンドレイは、己の敗北を認めた。
「も、申し訳ありませぬ。恐れながら、あなた様の仰るとおり、我々はあなた様を見くびっておりました。ガストン様の行いは、直ちに皇帝陛下にしかるべき処置を下すよう、私からも奏上いたしましょう。大変失礼をいたしました。国王陛下直々のご協力、心から感謝いたします」
深く頭を垂れるアンドレイに、イヴァン兵全てが彼に倣う。
ラスは片方の口角だけを上げ、ふん、と笑った。
「このラス・アルハゲを、あまりなめないことだな。あの事件を受けて、こちらは連れてきた兵を、大幅に減らせてもらった。なめた真似をする国に、大事な兵をほいほい貸すほど、甘くはないぞ。氷の美姫探索の援軍ということだが、ただイヴァン兵を援護するだけでなく、探索に参加する、と思っていただこう」
え、と顔を上げたアンドレイだったが、ラスは彼が口を開く前に、さっさと行動を開始した。
「では、今回の探索についての詳しいことは、進みながら聞こうか。我々はこの地の気候に慣れてないんでね。さっさと済ませたい」
身を翻し、コアトルに飛び乗る。
エルタニン軍も、それぞれ己が乗ってきたものに跨る。
それ以上言葉を続けることもできず、アンドレイはイヴァン兵に指示して、自分もチーリェフに跨った。
だが、身体の震えは大きくなるばかりで、一向に治まる気配はない。
ほんの若造のくせに、この威圧感は何なのだ。
最早顔を上げることもできないアンドレイは、己の敗北を認めた。
「も、申し訳ありませぬ。恐れながら、あなた様の仰るとおり、我々はあなた様を見くびっておりました。ガストン様の行いは、直ちに皇帝陛下にしかるべき処置を下すよう、私からも奏上いたしましょう。大変失礼をいたしました。国王陛下直々のご協力、心から感謝いたします」
深く頭を垂れるアンドレイに、イヴァン兵全てが彼に倣う。
ラスは片方の口角だけを上げ、ふん、と笑った。
「このラス・アルハゲを、あまりなめないことだな。あの事件を受けて、こちらは連れてきた兵を、大幅に減らせてもらった。なめた真似をする国に、大事な兵をほいほい貸すほど、甘くはないぞ。氷の美姫探索の援軍ということだが、ただイヴァン兵を援護するだけでなく、探索に参加する、と思っていただこう」
え、と顔を上げたアンドレイだったが、ラスは彼が口を開く前に、さっさと行動を開始した。
「では、今回の探索についての詳しいことは、進みながら聞こうか。我々はこの地の気候に慣れてないんでね。さっさと済ませたい」
身を翻し、コアトルに飛び乗る。
エルタニン軍も、それぞれ己が乗ってきたものに跨る。
それ以上言葉を続けることもできず、アンドレイはイヴァン兵に指示して、自分もチーリェフに跨った。


